年末年始の怒涛のレポートラッシュが少し落ち着いてきた、というより、ボスが出張に行ってくれて割り込みタスクがほぼなくなったので、忘れないうちにせっせとPhraseExpressのBoilerplate作成・メンテをしてた。
最初はPhraseExpressを使ってどんなことができるかよくわからず、辞書機能に毛が生えた程度の使い方しかできなかったのだけど、PhraseExpressはもっともっといろんな機能を搭載しているので使わないともったいない!
Contents
PhraseExpress以外の方法
PhraseExpressの有能さを感じるために、まずは他のツールを使った方法を挙げてみる。
辞書機能
これは一番カンタン。地域本社の社員と出張に行った際、「いろんなフォルダがありすぎて(階層が深すぎて)、必要なフォルダに辿り着くのが大変じゃない?どうしてる?」と聞かれたので、辞書機能を教えてあげた。「よく使うフォルダのフルパスを辞書に登録しておけば解決しますよ」と。
単語を登録して使っていたことはあるようで、辞書機能は知っていたようだが、URLを登録して利用することは思いつかなかったようで、非常に感謝された。
全部キーボードショートカットで目的のフォルダに移動するには:
- Win + E
- Alt + D
- 辞書変換
クイックパーツ(Building Block)機能(Outlook・Word)
OutlookとWordには、クイックパーツという機能が付いていて、表組みして登録しておくことも可能。辞書機能がせいぜい文単位であるところ、クイックパーツを使えば、段落・表まで一気に挿入することが可能となる。
私もPhraseExpressを使い出す前は、Outlookのクイックパーツを活用していた。
(2018.08.12追記)
最近、Outlookにはテンプレートという機能がリボンに追加されたようだ。ただし、クイックパーツ同様、本文のみ。宛先・CC・BCC・件名・本文の操作をするには、テンプレートにするかPhraseExpressを使う必要がある。
PhraseExpressは何が違うのか:変数
辞書機能とクイックパーツを利用するだけでも効率化できる。ならば、あえて他のアプリを使用する必要はないじゃないかと思えるのだが、PhraseExpressは更に《変数》が使えるため、前述の2つの方法に比べ入力が格段にラクに且つ速くなる。
《変数》を使うとはどういうこと?という方は、以下のブログを参考にしてほしい。単なる単語登録以上の使い方が分かりやすく簡潔に説明されている。
クイックパーツでは、文章や表を挿入することはできても、カーソルの位置を指定したり、日付を勝手に入力したりすることはできない。それがPhraseExpressなら可能となるのだ。
一番のお気に入り:フォーム
私が一番時間短縮のために活用しているのは、フォーム(いわゆるBoilerplate)。プライベートでもTypinatorで日記の入力フォームを作ったりするくらい好き。
どんな使い方ができるかは本家の出している動画もわかりやすいのでオススメ。
ここまでなっていると、入力漏れや更新漏れの確率も低くなるし、入力にかかる時間も更に短縮できる。
フォームの活用例
以下、私が使っている簡単なサンプル(基本→応用の順)を紹介する。
【ケース1】月次・四半期報告(メールの返信)
毎月のルーチン業務用のフォーム。タスクの内容は至って単純。
- 毎月・毎四半期、予めレポート提出依頼メールが届く。
- 本文に簡単なサマリを書いて、エクセルなどのレポートを添付して返信。
フォームを作成するときのコツというほどのことでもないが、「このレポート、担当者も決まってるし、本文の内容も大体決まっているな〜」と気づいたら、前回の報告メールを探して、まずは内容をメモ帳などに書き出してみることから始める。
この業務で送信するメールはこんな感じだった。
■■様 お世話になります。
■■支店●月分報告を提出致します。
添付ご査収ください。
売上:●●●百万円
経費:●●●百万円
特記事項: ・・・・
以上。
- ■は変更の必要なし。
- ●は毎回変更する必要がある。
この例の場合、報告対象月はメール提出の前月だとすると、本当に毎回入力が必要なのは、売上高と経費の数値だけ。そのため、以下のような内容を登録しておけばよい。(※①などの番号は取ること!!)
■■様 お世話になります。
■■支店①{#datetime -text Subject Month -f m -s -1M}月分報告を提出致します。
添付ご査収ください。
売上:②{#formeditbox -text Sales -hint in JPY mil -single -required numbers}百万円
経費:③{#formeditbox -text Expenses -hint in JPY mil -single -required numbers}百万円
特記事項: ④{#formeditbox -text Remarks -required}
以上。
- これは自動で入力される。 (現在の月)−(1ヶ月)という数式が設定されていて、表示形式は月のみが表示される。 今月を例にすると、自動的に12と表示される、というところ。
- 売上を手入力。ヒントに百万円単位と入れておく。
- 経費を手入力。ヒントに百万円単位と入れておく。
- 特記事項も手入力。必須入力項目だが、複数行入力可能。
【ケース2】不定期のイベント設定:〆切通知用
これはあまり一般的ではない使い方かもしれない。うちのチームのメンバは、締切が近ければ特に問題なく提出してくれるのだけれど、あまりに時間が長い場合には、締切日を忘れる傾向がある。そこで、Outlookの会議依頼で締切日を通知している。件名だけで本文は書かない。
例えば、グループAに資料Bドラフト提出日を通知する場合は、以下のようなものを登録しておく。(※①などの番号は取ること!!)また、ここでは見にくいので改行しているが、本来は全て改行なしで登録。
①group-a@address.com ②{#tab}
〆切:③{#formeditbox -text Title -single -required} ④{#tab -count 2}
⑤{#formcalendar -text Deadline -manual -format 0}{#tab}
⑥{#formcalendar -text Deadline -manual -format 0}{#tab} ⑦{#shift}
- 配信アドレスを設定していない場合は、【;】で区切って対象のメンバのアドレスを全部入力する。
- 次の項目へ移動するときには【Tab】を使うので、{#tab}と入力。
- 何の〆切かを手入力。
- 場所は設定しないので【Tab】を2つ登録して飛ばす。
- 日付を設定。
- ⑤と全く同じものをコピペしておく。これで日付設定は⑤のときの1回だけで済む。
- 全日設定にするために【Shift】を設定。
ポイント:マウスを使わずに入力するときの動きをそのまま登録する。
キーワードなどはマニュアルを参照。結構いろいろ使えます!
よく設定する内容(〆切関連)が決まっているのであれば、③をマニュアルインプットではなく(マニュアルインプットも可能な)ドロップダウンとかにするともっとラクになるかもしれない。
【ケース3】月次報告の送信:マクロはネストも可能!
【ケース1】とはちょっと違って、担当している地域の各オフィスから受け取った報告書を取りまとめて、結合版を送信する場合を想定。
返信ではなく、自分で作成したメールにレポートを添付して送信。
(【ケース2】のように、宛先から設定することも可能だけど、今回は添付を自動にする場合の例。)
また、添付するファイルの名前は、「Activity_Report_201801.xlsx」といったように、最後にYYYYMMの形で対象月が登録されている。(別にJan2018でも何でもいいが、とりあえず、ファイルの命名規則があることが重要。)
まずはフォームのドラフトづくり。
TO:group-a@address.com
CC:jibun@adress.com
件名:●月:活動報告
添付:Activity_Report_201801.xlsx
本文:各位 ●月分活動報告をお送りします。 ご確認のほどよろしくお願いいたします。 XXXX
PhraseExpressのタブから設定していく方が簡単。
- 【Automation】をクリック。
-
- ドロップダウンから【Create Email】クリック。
- 下のようなウィンドウが表示されるので、上記内容を入力。
-
- 【OK】をクリック。
以下の番号部分をちょっとだけ変更。(これも、「各位」以前の改行は本来入れない。)
{#mail -to group-a@address.com
-cc jibun@adress.com
-subject ①{#datetime -text subject month -f m -s -1M}月:活動報告
-attach \xxx.sharepoint.com\〜(省略)〜\Activity_Report_②{#datetime -text subject month -f yyyymm -s -1M}.xlsx
-body 各位
③#datetime -text subject month -f m -s -1M}月分活動報告をお送りします。
ご確認のほどよろしくお願いいたします。
XXXX}
マニュアルインプットなし。超ラク。難点は、本文(各位という文言)が2行目から書き出されるということ。いろいろ試したけど解決方法は今のところ不明。
このように組み合わせ次第でいろいろできるので、他にもいろいろ試していきたい。